【3分要約】がんになって初めてわかった。山崎元『お金と人生の本質』が教える、本当に大切なこと

がんになってわかったお金と人生の本質

がんになってわかったお金と人生の本質

ISBN: 4022519894
4分で読める

結論から言うと

この本は、人生の残り時間を意識したとき、お金や見栄といった「どうでもいいこと」から解放され、自分にとって本当に大切なものを見つけて、最期まで幸せに生きるためのヒントを教えてくれます。お金や将来への漠然とした不安がスーッと軽くなる、まさに「人生の教科書」です。

1 この本を読むと得られること

  1. 「がん保険は本当に必要?」という疑問に、専門家が実体験で答えてくれる 著者は「がん保険は要らない」と断言します。なぜなら、日本の公的な健康保険制度(特に高額療養費制度)が非常に手厚いから。実際に著者がかかった治療費も公開し、「貯金で十分間に合う」とロジカルに解説。保険会社のセールストークに惑わされない、お金の守り方が身につきます。
  2. お金を「増やす」ことより「どう使うか」が幸福度を左右するとわかる 若いうちから切り詰めてお金を貯める「守銭奴型FIRE」に警鐘を鳴らし、「経験」にお金を使うことの重要性を説きます。「楽しむ能力」は年齢と共に変化するため、適切な時期にお金を使うことが、人生全体の満足度を高めるカギ。お金との付き合い方が180度変わるかもしれません。
  3. 見栄や世間体のために時間やお金を使っていたことに気づき、手放す勇気がもらえる 著者はがんの治療による脱毛をきっかけに、毎月数万円かけていたヘアサロンが「どうでもいいこと」だったと気づきます。他にも、大量の蔵書や衣類、ガジェット類を手放した経験から、私たちが「こだわり」だと思い込んでいるものの多くが、実は不要なものであることを教えてくれます。
  4. 情報過多の時代に、正しい決断を下すための「思考の軸」が手に入る がん治療も投資も「不確実性下の意思決定」という点でそっくり。溢れる情報に振り回されず、本質を見抜くにはどうすればいいか。著者は「情報を制限すること」「利害関係のない専門家に相談すること」の重要性を強調。仕事やプライベートのあらゆる場面で役立つ判断力が養われます。

2 こんな人におすすめ

  • 老後の資金や、もしもの時の病気の費用が漠然と不安な人
  • 仕事や人間関係に追われて「本当にこのままでいいのかな?」と感じている人
  • FIREを目指しているけど、今の生活を切り詰めることに疑問を感じている人
  • 親の介護や相続について、そろそろ考えないといけないと感じている人
  • お金や世間体に縛られず、もっと自分らしく生きたいと思っている人

3 もう少し詳しく解説

著者の山崎元さんは、12回の転職を経て経済評論家として活躍した、まさに「お金のプロ」。そんな彼が2022年に食道がんと診断され、自らの死と向き合う中でたどり着いた「お金と人生の本質」を、率直な言葉で綴ったのがこの本です。

本書の大きな特徴は、経済評論家ならではのロジカルな視点と、がん患者という当事者のリアルな体験談が融合している点です。例えば、がん治療の選択を投資の意思決定にたとえたり、自身の治療費を赤裸々に公開して「がん保険不要論」を裏付けたりと、その語り口は非常にユニークで説得力があります。

特に重要なキーワードが**「サンクコスト」**です。これは「すでに取り返しのつかない費用」のことで、著者は「病気になったこと」や「過去の失敗」をサンクコストと捉え、クヨクヨ悩むのは無意味だと切り捨てます。そして、「これから変えられること」に集中する大切さを繰り返し説いています。この考え方は、人生のあらゆる局面で私たちを前向きにしてくれる強力な武器になるでしょう。

また、終盤で語られる**「『お金よりも大事なもの』にどうやって気づくか」という問いに対する答えは圧巻です。著者は、損得勘定を吹き飛ばす唯一のスイッチは「怒り」**だと喝破します。「こんなことが許されてたまるか!」という感情こそが、私たちを縛るお金の呪縛から解き放ってくれるというのです。この熱いメッセージは、きっとあなたの心にも火を灯すはずです。

本書は、単なる闘病記でも、お金のノウハウ本でもありません。限られた時間の中で、いかにして幸福を追求し、自分らしく生き抜くか。そのための思考法と実践的なヒントが詰まった、まさに「人生の羅針盤」と呼ぶにふさわしい一冊です。

この本を読んでみたくなりましたか?

気になった方は、ぜひ実際に手に取って読んでみてください。

Amazonで購入する

この記事が役に立ったらシェアしてください

© 2024 ゼロ読書. All rights reserved.