目次
結論から言うと
この本は、人生に敗れた人々が「嘘」を武器に再起をかける、感動の逆転劇です。読み終わる頃には、あなたは壮大な仕掛けにまんまと騙され、温かい涙とともに明日を生きる勇気をもらっているはずです。
1 この本を読むと得られること
- 最高のどんでん返し体験 物語の最後に、それまでの全てがひっくり返るような驚愕の真実が待っています。散りばめられた伏線が一気に回収される快感は、まさに鳥肌もの。読後の「やられた!」という爽快感は格別です。
- 血のつながらない「家族」の絆に心温まる 詐欺師、スリ、居候…社会の片隅で生きるワケありの登場人物たちが、一つ屋根の下で暮らすうちに育む奇妙で温かい関係性。血のつながりを超えた「家族」の姿に、思わず胸が熱くなります。
- 明日を生きる小さな勇気 過去の失敗に苦しみ、どん底の生活を送る主人公たちが、それでも前を向いて人生をやり直そうともがく姿は、私たちに「人は何度でもやり直せる」という希望を与えてくれます。
- 「嘘」と「真実」について考えさせられる 誰が嘘をつき、何が真実なのか。巧みなストーリー展開に、あなたもきっと騙されるはず。物語を読み終えた後、物事の見方が少し変わるかもしれません。
2 こんな人におすすめ
- 最近、心が動くような感動を味わっていない
- 先の読める展開にはもう飽きた!とにかく驚きたい
- 人間関係に疲れて、心温まる物語に触れたい
- 映画『コンフィデンスマンJP』のような騙し合いの物語が好き
- 分厚い本は苦手だけど、夢中になれる面白い小説を1冊読んでみたい
3 もう少し詳しく解説
この本の著者は、道尾秀介(みちお しゅうすけ)さん。『月と蟹』で直木賞を受賞した、日本を代表するミステリー作家の一人です。本作『カラスの親指』も日本推理作家協会賞を受賞しており、その巧みなストーリーテリングは多くの読者を魅了しています。
物語の主人公は、タケさんこと武沢竹夫。過去のある出来事が原因で詐欺師として生きる中年男です。ひょんなことから元鍵屋のテツさんとコンビを組み、詐欺で日銭を稼ぐ日々を送っていました。
そんな二人の前に、スリの少女まひろとその姉やひろ、そしてその彼氏で元マジシャンの貫太郎が現れます。行き場のない彼らを家に住まわせることになり、5人と1匹の仔猫との奇妙な共同生活がスタートします。
しかし、平穏な日々は長くは続きません。タケさんの過去が、ヤミ金組織という形で彼らに忍び寄ります。絶体絶命の状況に追い込まれた彼らは、人生を懸けた一世一代の大仕掛け「アルバトロス作戦」に打って出ることを決意するのです。
この物語の最大の魅力は、読み進めるうちに登場人物一人ひとりがたまらなく愛おしくなっていく点と、そして最後に待ち受ける**「壮大な仕掛け」**です。一見、偶然に見える出会いや出来事のすべてが、実は緻密に計算された伏線だったことに気づいたとき、あなたはきっと驚きと感動で声も出せなくなるでしょう。
読書が苦手な方でもページをめくる手が止まらなくなること間違いなし。あなたもこの物語の仕掛けに騙されてみませんか?