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結論から言うと
『片田舎のおっさん、剣聖になる』は、自分を「ただの田舎の剣術師範」だと思っている最強の男が、出世した弟子たちに担ぎ上げられてしまう勘違いコメディです。このマンガを読めば、お約束の「俺TUEEE(オレツエー)」とは一味違う、心温まる無自覚系主人公の魅力にハマること間違いなし!
1 この本を読むと得られること
- 謙虚すぎる主人公に癒される 主人公のベリルは、自分がとんでもない達人であることに全く気づいていません。その謙虚すぎる姿勢と、周囲の評価とのギャップが絶妙な笑いと癒やしを生み出します。俺様系主人公に疲れたあなたにピッタリです。
- 弟子たちの師匠への愛にほっこりする 王国騎士団長になったアリューシアや、Sランク冒険者になったスレナなど、弟子たちはみんな超一流。そんな彼女たちが、今でも師匠であるベリルを心から尊敬し、大好きでいる姿に心温まります。「師匠のためなら!」と張り合う弟子たちの様子は見ていて微笑ましいです。
- 派手じゃないけど「スゴさ」が伝わる戦闘シーン ベリルの戦いは、一撃必殺の魔法や派手な必殺技ではありません。相手の動きを完璧に見切り、最小限の動きでいなす「達人の剣」です。その圧倒的な実力差が静かに描かれるシーンは、思わず「すげえ…」と声が漏れてしまうほどの説得力があります。
- ストレスフリーな物語でリラックスできる 深刻な悩みや陰謀も、ベリルの圧倒的な実力と人の良さでいつの間にか解決。難しいことを考えずに、安心して楽しめるストーリー展開が魅力です。疲れた日の夜に読むのに最適な一冊です。
2 こんな人におすすめ
- 俺様系やイキった主人公に飽きてしまった人
- ほのぼのとした「スローライフ」系の物語が好きな人
- 主人公が「無自覚に最強」という設定にワクワクする人
- 師匠と弟子の絆のような、心温まる人間関係のストーリーを読みたい人
3 もう少し詳しく解説
■ 主人公は、田舎で道場を営む冴えないおっさん(自称)
物語の主人公は、ベリル・ガーデナント。片田舎で小さな剣術道場を営む、ごく普通のおじさんです。本人は「自分の剣は護身術程度」と謙遜し、若くして大成した弟子たちを眩しく思いながら、のんびりとした日々を過ごしていました。
■ 弟子たちがスゴすぎて、おっさんの日常が壊される!
そんな彼の元に、ある日、かつての教え子であるアリューシアが訪れます。彼女は今や、国で最強と謳われる騎士団の団長。そして「先生を騎士団の特別指南役として推薦しました!」と衝撃の告白をします。
これを皮切りに、Sランク冒険者になったり、魔法師団のエースになったりと、とんでもなく出世した弟子たちが次々とベリルの前に現れます。彼女たちは口を揃えて「先生こそが最強の『剣聖』だ」と言いますが、ベリル本人は「何を言ってるんだ?」と全くピンときていません。
この物語の面白さは、まさにこの**「本人の自己評価」と「周囲からの評価」の圧倒的なギャップ**にあります。ベリルは自分の強さに無自覚なまま、弟子たちに振り回される形で王都に赴き、その実力を知らず知らずのうちに披露していくことになるのです。
例えば、騎士団の副団長に「実力を見せろ」と勝負を挑まれた際には、相手が本気で繰り出す必殺技を「ふむ」と呟きながら、まるでお遊戯のようにいなしてしまいます。その圧倒的な強さは、もはやコメディの域。見ている騎士たちも、そして読者も、その「次元の違い」に唖然とさせられます。
自分の実力を過小評価し続けるベリルと、彼を神のように崇める弟子たちとのやり取りは、読んでいて思わずクスッと笑ってしまうこと間違いなし。実力は本物なのに、どこか抜けていて人の良いベリル。そんな彼がこれからどんな「勘違い」を巻き起こしていくのか、続きが気になって仕方なくなる作品です。