目次
結論から言うと
この本の結論は、「子どもを変えようとするのは、もうやめよう!」ということです。心理学に基づいた方法で親自身が変われば、イライラが減るだけでなく、子どものやる気や能力は自然と伸びていきます。
1 この本を読むと得られること
- 感情的に怒鳴ることがなくなる、魔法の習慣 75%以上の親が子どもにイライラしているというデータがあります。本書では、イライラの原因は「ウィルパワー」の不足だと指摘。ウィルパワーとは「意志力」のことで、簡単なトレーニングで鍛えられます。これを鍛えれば、感情のコントロールが上手になり、無駄に怒鳴って自己嫌悪…という悪循環から抜け出せます。
- 子どもが自ら机に向かう「環境づくり」のコツ 「勉強しなさい!」と命令するのは逆効果。本書では、子どもが自然と集中できる部屋の作り方を具体的に解説しています。例えば、「机はできるだけ広くシンプルなものにする」「ベッドは机の真後ろに置く」など、ちょっとした模様替えで、子どもの集中力は驚くほど変わります。
- 子どものやる気を引き出す「言葉の力」 親が何気なく使っている「〜しなさい!」という命令口調や、「後にしてくれる?」という拒絶の言葉が、いかに子どもの心を閉ざすかを解説。「どうしたの?」「なぜ?」「すごいね!」といった、子どもの自己肯定感を高め、信頼関係を築く7つの魔法の言葉がわかります。
- 親も子もハッピーになる「ウィルパワー」の育て方 本書の鍵となる「ウィルパワー」は、「やる力」「やらない力」「望む力」の3つから成り立っています。この力は、親から子どもへ「感染」する、というのが本書の面白いポイント。親がダイエットや早起きなど、自分の目標に挑戦する姿を見せるだけで、子どものウィルパワーも自然と高まっていくのです。
2 こんな人におすすめ
- 「勉強しなさい!」「早く片づけて!」と、毎日同じことを言って疲れている
- ついカッとなって子どもを怒鳴ってしまい、後で自己嫌悪に陥ってしまう
- 子どもの反抗期にどう接したらいいか、途方に暮れている
- 子どもの将来のために何かしたいけど、何から始めればいいかわからない
- たくさん子育て本を読んだけれど、理想論ばかりで実践できなかった
3 もう少し詳しく解説
「子どもを育てたことがないのに、何がわかるの?」 メンタリストである著者DaiGoさんも、執筆依頼を受けた当初はそう思い、断ろうとしたそうです。しかし、彼のビジネスマン向けの本を読んだお母さんから「本に書かれた心理学を子育てに応用したら、親子関係が劇的に良くなった」という感謝のメッセージが届いたことが、この本が生まれるきっかけでした。
このエピソードが象徴するように、本書は個人の経験談や根性論に頼るのではなく、最新の心理学や脳科学に基づいた、再現性の高いテクニックが紹介されているのが最大の特徴です。
本書のキーワードは**「ウィルパワー(意志力)」**。これは、目標達成に必要な「やる力」、誘惑に負けない「やらない力」、そして目標を思い描く「望む力」の3つの力で構成されています。有名な「マシュマロテスト」の例からもわかるように、このウィルパワーは子どもの将来の成功を左右するほど重要な力です。
そして、最も希望が持てるメッセージが**「ウィルパワーは感染する」**というもの。親が自分自身のウィルパワーを高める挑戦(例えば、早寝早起きを習慣にする、姿勢を正す、瞑想するなど)を始めると、その姿を見た子どもにもウィルパワーが伝染し、自然と自分をコントロールする力が身についていくのです。
子どもを無理やり変えようとして親子で疲弊するのではなく、まず親が自分をコントロールし、ラクになる。その結果、子どもも健やかに成長していく。そんな、親も子も幸せになれる新しい子育ての形を、本書は示してくれます。