目次
結論から言うと
この本は、ただの旅行記じゃありません。フィンランド好きを「こじらせた」普通の会社員が、転職、海外赴任、まさかの寿司職人修行…と、寄り道だらけの人生の中で「自分だけの夢の道」を見つけていく物語です。 読めば、遠回りや失敗も全部自分の力になると思えて、今の自分を肯定し、好きなことに向かって一歩踏み出す勇気がもらえます。
1 この本を読むと得られること
- 「好き」を貫く勇気とヒント フィンランドが好きすぎて、ついには「フィンランドで働くために寿司職人になる!」と決意する著者。一見、無関係に見える「好き」と「仕事」を結びつける大胆な発想から、「自分の好きって、もっと自由な可能性があるのかも」と勇気がもらえます。
- 人生の「寄り道」をポジティブに捉える力 キャリアの考え方には、ゴールを決めて進む「山登り型」と、流れに任せる「川下り型」がある、という話は目からウロコ。やりたいことが見つからなくても、目の前のことに全力で取り組めば、いつか道は開けると前向きな気持ちになれます。
- 日本にいながら毎日を豊かにするアイデア 著者の「週末北欧部」活動は、まさに日常を楽しむ天才!真夜中にシナモンロールを焼いたり、いつもの公園で北欧食器を持ち出してピクニックしたり。ちょっとした工夫で、いつもの毎日が特別な時間に変わるヒントが満載です。
- ガイドブックにはないフィンランドの魅力 シャイだけど心優しいフィンランド人の国民性、サウナ後に海へダイブする文化、地元スーパーのリアルな品揃えなど、暮らしているからこそ分かるディープな情報がたっぷり。読めばきっとフィンランドに行きたくなります。
2 こんな人におすすめ
- 今の仕事や生き方に、なんとなくモヤモヤしている
- 「やりたいことはあるけど、どうせ無理…」と一歩を踏み出せない
- 北欧が好きで、もっとリアルな文化や暮らしを知りたい
- 周りに趣味を分かってくれる仲間がいなくて、少し寂しい
- これまでの人生、寄り道や遠回りばかりだったと感じている
3 もう少し詳しく解説
著者はどんな人?
著者のchikaさんは、フィンランドが好きすぎて好きすぎて、その愛を「こじらせて」しまった30代の会社員。年に一度はフィンランドを訪れ、日本にいても北欧を感じるための工夫をSNSで発信する「週末北欧部」として活動しています。
彼女のすごいところは、ただ「好き」なだけでなく、その好きを人生の中心に据えようと行動し続けること。北欧系企業に就職し、挫折を味わい、全く違う会社でがむしゃらに働いたかと思えば、まさかの中国転勤。そんな紆余曲折を経て、「フィンランドで寿司職人になる」という壮大な夢に向かって突き進んでいきます。
この本の何が特別なの?
一番の魅力は、エッセイ漫画のような軽やかな筆致で、人生の深いテーマを描いていること。イラストや写真が豊富で、読書が苦手な人でもスラスラ読めてしまいます。でもその中身は、キャリア論、異文化理解、そして「自分らしく生きるとは?」という哲学的な問いに満ちています。
「こじらせ」という言葉に、著者の熱狂的な愛と、ちょっぴり不器用な生き方が詰まっていて、読者は「分かる!」と共感したり、「そんな生き方あり!?」と驚いたりしながら、いつの間にか彼女を応援しているはずです。
「好き」が人生を切り拓く
この本は、「好き」という気持ちが持つパワーを教えてくれます。chikaさんは、フィンランド好きが高じて現地の友人ができ、彼らとの交流を通して文化を学びます。SNSで「週末北欧部」を立ち上げると、同じ「好き」を持つ仲間と出会い、人生がさらに豊かになっていきます。
そして何より、キャリアの選択。フィンランドで働くには、現地の人にはない「スキル」が必要だと気づき、「寿司職人」という道を見つけ出します。これは、ただ好きなだけでは越えられない壁を、「好き」の力で乗り越えようとする、力強い挑戦の物語なのです。
読んでいると、「サルミアッキ※」の味を想像して顔をしかめたり、「キッピス!(フィンランド語で乾杯!)」と一緒に声を上げたくなったり。あなたもこの本を片手に、自分だけの「好き」をこじらせてみませんか?きっと、新しい人生の扉が開くはずです。
※サルミアッキ:リコリス(甘草)と塩化アンモニウムなどで風味を付けた、フィンランドの国民的なお菓子。独特の塩味とアンモニア臭から「世界一まずい飴」と呼ばれることも。