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結論から言うと
投資とは、あなた自身の「人的資産」と「金融資産」のバランスをとって人生全体を豊かにする道具であり、決してギャンブルではありません。 この本を読めば、投資への恐怖心がなくなり、「お金の社会参加」というポジティブな視点から、月1万円からでも自信を持って資産形成を始める第一歩を踏み出せます。
1 この本を読むと得られること
- 「人的資産」という新しい視点が手に入る 実は、あなたもすでに「億万長者」かもしれません。本書では、これから生涯で稼ぐお金の総額を「人的資産」と呼びます。20代なら1億円以上の価値があるとされ、これがあなたの最も大きな資産です。この視点を持つだけで、目先の預金額に一喜一憂しなくなり、資産運用の考え方がガラリと変わります。
- 自分に本当に合った投資の始め方がわかる 多くの日本人は、給料も預金も「日本円」なので、無意識に「日本への超集中投資」状態に陥っています。本書では、この偏りを「金融資産」で調整する、という非常にシンプルな解決策を提示。人的資産が「国内・安定」なら、金融資産は「海外・成長」へ。この考え方で、自分に何が必要かが明確になります。
- 投資とギャンブルの違いが明確になる 「ハイリスク・ハイリターン」は投資の原則だと思っていませんか?本書は「それはギャンブルの世界の話」とバッサリ。投資は、社会を豊かにする会社を応援し、その成長の果実を受け取ること。誰かが損をするギャンブルとは違い、みんなが豊かになる「プラス・サム」の活動だとわかれば、安心して投資と向き合えます。
- 具体的な金融商品の選び方がわかる 「で、結局何を買えばいいの?」という疑問にも、本書は明快に答えてくれます。現役世代なら「海外株式ファンド」、リタイア世代なら「世界バランス型ファンド」が基本。なぜそれが良いのか、どう選ぶのか(つみたてNISAの活用法など)も、対話形式でやさしく解説されているので、迷わず行動に移せます。
2 こんな人におすすめ
- 投資に興味はあるけど、何から始めたらいいかサッパリわからない人
- 「老後2000万円問題」が漠然と不安だけど、何もできていない人
- 投資はギャンブルみたいで怖い、損をしたくないと思っている人
- NISAやiDeCoに興味はあるけど、どの商品を選べばいいか迷っている人
- 難しい専門用語だらけの投資本に挫折した経験がある人
3 もう少し詳しく解説
著者の加藤航介さんは、ロンドン、ニューヨークで約10年間生活し、世界約30ヵ国で投資の仕事をしてきた、まさに「世界を見てきた投資のプロ」。そんな著者が、アメリカの受け売りではない「日本人に本当に合った投資法」を、新入社員に教えるという対話形式で分かりやすく解説してくれるのが本書の魅力です。
キーワードは「人的資産」と「バランス」
本書の最大のポイントは「人的資産」という考え方です。あなたの将来の稼ぎ(給料や年金)は、実は非常に安定した「国内・安定資産」。一方で、銀行にある「金融資産」は、人的資産に比べればごくわずかです。
多くの人は金融資産だけで投資を考えがちですが、本書では「人的資産+金融資産」という、あなたの全資産でバランスをとることを提案します。ほとんどの日本人は人的資産が日本に偏っているため、身軽な金融資産を使って「海外の成長資産(世界株式など)」に投資し、人生全体のバランスを整えるべき、と説きます。
なぜ「海外の株式」なのか?
「なぜ日本株じゃなくて海外なの?」と思いますよね。本書はその理由を「経営者と株主が『同じ船』に乗っているか」というユニークな視点で説明します。
欧米の多くの大企業では、経営者の報酬の大部分が「自社の株」です。つまり、会社の業績が上がって株価が上がれば自分の給料も増えるため、株主(投資家)と経営者は「会社の価値を高める」という同じ目標を持つ仲間になれるのです。この仕組みが、社会を豊かにするサイクルを力強く回し、長期的に高いリターンを生み出してきました。
この本を読めば、投資は怖いものではなく、世界をより良くする活動に参加することなのだと気づかされます。そして、自分の資産を少し海外に向けるだけで、自分の人生も、そして日本社会も豊かにできるという希望が湧いてくるはずです。まずは月1万円から、あなたも「お金の社会参加」を始めてみませんか?