目次
結論から言うと
デイトレードで勝つ秘訣は、派手な儲けを狙うことではなく、『負けない技術』を徹底することです。プロの動きを読み、冷静に「押し目」を狙うことで、あなたの投資成績は格段に安定します。
1 この本を読むと得られること
この本を読むことで、短期売買のプロが実践している具体的なスキルが手に入ります。
- プロの投資家の「思考」がわかる なぜ個人投資家は負けやすいのか? それは、ファンドや仕手筋といった「大口投資家」の思うツボにはまっているからです。本書では、彼らがどうやって利益を上げているかの裏側を解説。その動きを読んで逆に利用する「コバンザメ戦法」を学べます。
- チャートと板情報の「本当の読み方」が身につく 「5分足チャート」や「板情報」は、デイトレの必須ツール。本書では、ローソク足の形(上ヒゲ、コマなど)や板の厚みから「今、買い時か、売り時か」を判断する具体的な方法が満載。「見せ板」のようなダマしの手口も見抜けるようになります。
- 感情に左右されない「鉄のルール」が作れる 「もっと上がるはず!」と欲張って利益を逃したり、「これくらい大丈夫」と損切りをためらったり…。そんな感情的な失敗を防ぐための「100の鉄則」が示されています。特に、損失を限定する「逆指値」の重要性は、デイトレの命綱として徹底的に解説されています。
2 こんな人におすすめ
一つでも当てはまったら、この本はあなたのための本かもしれません。
- 株で儲けようと思ったのに、「買えば下がり、売れば上がる」を繰り返している人
- チャートや専門用語が難しくて、何から勉強していいかわからない人
- 景気の良いニュースを見ると、つい高い値段で株を買ってしまう「高値づかみ」の常習犯
- 日中の値動きに一喜一憂して、仕事や家事が手につかなくなる人
3 もう少し詳しく解説
投資歴45年超!ベテラン著者が教える実践的ノウハウ
著者の石井勝利氏は、投資歴45年を超える大ベテラン。記者や評論家として長年、経済の最前線を見てきた経験から、机上の空論ではない、泥臭くも実践的な投資術を教えてくれます。本書は「鬼100則」という形式で、一つ一つのルールが短くまとめられているので、読書が苦手な人でもサクサク読み進められるのが特徴です。
デイトレの基本は「持ち越さない勇気」
本書が繰り返し強調するのが、デイトレードの基本姿勢です。デイトレードとは、その日のうちに売買を完結させる「日計り商い」のこと。著者は、その日のポジションを翌日に持ち越す「オーバーナイト」をしないことを強く推奨します。
なぜなら、私たちが寝ている間にも海外市場は動いており、どんな悪材料が飛び出すかわからないからです。夜間に現金を口座に戻しておくことで、翌日の予期せぬ暴落リスクから資産を守ることができます。
勝者の習慣は「押し目買い」と「逆指値」
では、どうやって勝つのか?答えはシンプルで、「安く買って、高く売る」を徹底すること。多くの個人投資家は、株価が急騰しているのを見て慌てて飛びつき、プロが売り抜けるタイミングで買ってしまう「高値づかみ」で失敗します。
本書が教えるのは、その逆。どんなに良い材料が出ても飛びつかず、株価が一時的に下がる「押し目」を冷静に待つこと。そして、もし予想が外れても損失が膨らまないように、あらかじめ「この価格まで下がったら自動的に売る」という「逆指値注文」を必ず設定しておくこと。この2つを徹底するだけで、大きな負けは劇的に減ります。
大口の動きを読んで「コバンザメ」になれ!
相場を動かしているのは、莫大な資金を持つファンドなどの大口投資家です。個人投資家が彼らに正面から挑んでも勝ち目はありません。そこで著者が勧めるのが、彼らの動きに寄り添って利益を得る「コバンザメ取引」です。
大口が買い始めると、チャートの出来高が増え、板情報が活発になります。その初動を察知して素早く乗り、彼らが利益確定を始める少し前に、さっと逃げる。この「遅く乗り、早く逃げる」スタイルが、個人投資家の賢い戦い方なのです。
デイトレは短期決戦ですが、本書はデイトレードというレンズを通して、投資で勝ち続けるための普遍的な哲学を教えてくれます。感情に流されず、自分だけの「鬼ルール」を確立したい方は、ぜひ手に取ってみてください。