目次
結論から言うと
本書が教えてくれるのは、「長期的な視点で、バランスの良いチーム(ポートフォリオ)を組めば、投資の勝率は99%に近づく」 という、再現性の高い投資の答えです。 これを読めば、日々の株価の動きに一喜一憂するストレスから解放され、どっしりと構えながら着実に資産を育てる「長期投資家」へと変わることができます。
1 この本を読むと得られること
- "絶対にやってはいけない投資"がわかる 著者が「六悪」と呼ぶ、初心者が手を出すと破産しかねない6つの危険な投資手法(信用取引、集中投資など)を具体的に学べます。これを避けるだけで、致命的な失敗はグッと減らせます。
- プロの「ポートフォリオ」の組み方がわかる ただたくさんの銘柄を買う「分散投資」とは一線を画す、プロの運用法が身につきます。例えば、為替リスクを打ち消し合う「内需株と外需株のペア」を作るなど、銘柄同士が助け合う「チーム」を組む具体的な方法がわかります。
- ほったらかしOKの運用法が手に入る 一度ポートフォリオを組んだら、チェックは年に1回、30分程度でOK。毎日チャートに張り付く必要がないので、本業が忙しい人でも無理なく、そして気楽に投資を続けられます。
- 相場下落も怖くなくなる 「暴落したらどうしよう…」という不安は投資の最大の敵。本書では、あらかじめ下落を想定した「セカンドプラン」「サードプラン」を伝授。ピンチをチャンスに変える戦略で、パニック売りせずに冷静に対応できるようになります。
2 こんな人におすすめ
- 投資を始めたいけど、何から手をつけていいかわからない人
- 過去に個別株の売買で痛い目にあったことがある人
- 毎日株価をチェックするのがストレスになっている人
- 「下がったら売る」の繰り返しで資産が減ってしまう「損切り貧乏」から抜け出したい人
- 短期的な儲けより、10年、20年かけてコツコツ資産を築きたい人
3 もう少し詳しく解説
著者・山本潤さんってどんな人?
著者の山本潤さんは、20年以上にわたって富裕層や年金基金の資産を運用してきた、現役のファンドマネジャーです。短期売買を繰り返すトレーダーや評論家とは違い、企業の価値をじっくり見極めて長期で投資するプロ中のプロ。本書は、そんな著者が「一般の個人投資家にも本物の投資法を知ってほしい」という想いで、自らのノウハウを初めて明かした一冊です。
この本のここがスゴい!
本書の特徴は、難しい専門用語や数式をほとんど使わず、「なぜ、この方法が有効なのか?」を誰にでもわかるように解説している点です。そして根底には、「投資とは、頑張っている企業を応援すること」という温かい哲学が流れています。
「六悪」を避けるだけで、もう負けない
本書ではまず、初心者が絶対に手を出してはいけない投資法を**「六悪」**として紹介しています。
- 信用取引(借金して投資)
- 集中投資(1つの銘柄に賭ける)
- 回転売買(買っては売りを繰り返す)
- 空売り(値下がりで儲けようとする)
- 小型株への投資(業績が不安定)
- IPO銘柄への投資(上場したての株)
これらはハイリスクで、プロでも難しい手法。著者は「これらを避けるだけで、投資で致命的な負けはなくなる」と断言します。
本当の「チーム」の作り方
本書の核心は**「ポートフォリオ運用」**です。これは単なる分散投資ではありません。お互いの弱点を補い合う「チーム」を作ることです。
例えば、円高に強い「内需株(主に国内で稼ぐ企業)」と、円安に強い「外需株(主に海外で稼ぐ企業)」をペアで持つ。こうすることで、為替がどちらに動いても大きなダメージを受けにくくなります。このように、リスクを打ち消し合う銘柄を組み合わせるのが、プロのやり方なのです。
時間がない人は「ETF」でOK!
「個別株を選ぶなんて難しそう…」という人でも大丈夫。本書では、優良な企業の詰め合わせパックである**「ETF(上場投資信託)」**を活用したポートフォリオ例も紹介しています。特に、GAFAなど米国の勝ち組企業が集まる「NASDAQ100 ETF」などをポートフォリオに加えることで、誰でも簡単に世界経済の成長に乗ることができます。
暴落は「武器」になる
投資で一番怖いのは暴落ですが、本書の戦略ではそれすらも味方にします。あらかじめ「資産が20%減ったらこうする(セカンドプラン)」「さらに下がったらこうする(サードプラン)」と決めておくのです。具体的には、相場が大きく下がった時だけ、ポートフォリオの一部を少し攻撃的なETFに入れ替えます。これにより、その後の回復局面でより大きなリターンを狙えるのです。
この一冊を読めば、投資の不安が自信に変わるはず。あなたも今日から「応援する投資家」として、心穏やかな資産形成を始めてみませんか?