目次
結論から言うと
この本の核心は、**「運はポイントカードと同じで、日々の行いで貯めたり使ったりするもの。そして、いつでも『上機嫌』でいることが、人生のチャンスを掴む最大の秘訣」**だということです。 これを読めば、物事の見方がガラッと変わり、「どうせ自分なんて…」という思考から解放され、前向きな一歩を踏み出したくなりますよ。
1 この本を読むと得られること
- 「運」の新しい仕組みがわかる 運は偶然や生まれつきのものではありません。日々の努力や誰かのための行いが「運のポイント」として貯まり、必要な時に使えるという、目からウロコの考え方が手に入ります。もう「運が悪い」と嘆くことはなくなるはずです。
- 「上機嫌」でいることの魔法に気づく なぜ機嫌よくいるだけでチャンスを引き寄せるのか、その理由が物語を通してストンと腑に落ちます。不機嫌でいることが、どれだけ多くの幸運を逃しているかに気づかされ、日々の心の持ちようが変わります。
- 努力は無駄じゃないと心から思えるようになる 自分の努力がすぐに結果に繋がらなくても、それは「運を貯めている」状態。その努力は、必ず未来の自分や大切な人、さらには次の世代にまで良い影響を与えていると知ることができ、頑張り続ける勇気が湧いてきます。
- 人生の捉え方がポジティブに変わる 絶望の淵にいた主人公・修一が、運転手との出会いで少しずつ変化していく姿に自分を重ねることで、どんなに最悪な出来事も「むしろこれでよかったのかも」と捉え直す力が身につきます。
2 こんな人におすすめ
- 「頑張っているのに、なぜかうまくいかない」と落ち込んでいる人
- 「どうせ自分なんてツイてない」が口癖になっている人
- 将来への漠然とした不安で、心が疲れてしまっている人
- 人生を変えるきっかけが欲しいけれど、何から始めればいいかわからない人
3 もう少し詳しく解説
著者の喜多川泰さんは、心温まる物語を通して「ものの見方」を変えるヒントを与え、多くの読者の背中を押してきた人気の作家さんです。
本書『運転者』も、ただの自己啓発書ではありません。主人公・岡田修一の物語を追いながら、人生を豊かにする法則を自然と学べる、感動的な小説になっています。
八方塞がりの主人公と不思議な運転手
主人公の岡田修一は、完全歩合制の保険営業マン。成績は上がらず、ある日突然、20件もの大量解約に見舞われ、まさに崖っぷち。家庭では娘が不登校になり、妻との関係もギクシャク…。「なんで俺ばっかりこんな目に遭うんだ」と嘆く彼の前に、一台の不思議なタクシーが現れます。
運転手の名前は「御任瀬 卓志(おまかせ たくし)」。彼は修一を、行き先も告げずに「今のあなたが行くべき場所」へと連れて行きます。その道中で語られる運転手の言葉が、修一の、そして私たちの人生観を根底から覆していくのです。
「運」はポイントカードだった!
運転手は言います。「運は〈いい〉か〈悪い〉かじゃなく、〈使う〉か〈貯める〉かなんです」。
誰かのために自分の時間を使ったり、見返りを求めずに親切にしたり、たとえ報われなくても努力を続けたり…。そういった行いが「運のポイント」として貯まっていきます。そして、人生の節目でそのポイントを「使う」ことで、幸運が訪れるというのです。
逆に、不機嫌でいたり、自分の利益ばかり考えていたりすると、せっかくのチャンスを掴むアンテナが鈍ってしまい、幸運を逃してしまいます。修一も、不機嫌だったせいで、目の前にあった大きな契約のチャンスを逃してしまうのです。
報われない努力なんてない
物語の後半で明かされる、修一の父・政史のエピソードは特に胸を打ちます。彼は、店の経営が傾き、夢を諦めかけた後、誰に言うでもなく25年間も蕎麦打ちの練習を続けていました。それは、いつか息子・修一が人生に困ったときに力になりたいという一心からでした。
その努力は、一見、誰にも知られずに終わったように見えます。しかし、その想いと積み重ねた「運」は、巡り巡って修一の人生を大きく動かす力となるのです。このことから、私たちの努力は決して無駄にならず、時を超えて大切な誰かに受け継がれていく、という壮大な希望をもらえます。
あなたも、この不思議なタクシーに乗って、人生を変える旅に出てみませんか?読み終えた後、きっと世界が少し違って見えるはずです。