目次
結論から言うと
この本は、言葉を「人に好かれる白魔法」と「人に嫌われる黒魔法」に分け、どうすれば自分の気持ちを上手に伝えられるかを教えてくれる、親子で学べる最強のコミュニケーション図鑑です。言葉の選び方ひとつで人間関係が劇的に良くなり、子どもも大人も自信を持って自己表現できるようになります。
1 この本を読むと得られること
- 人に好かれる「白魔法」の言葉がわかる 「ありがとう」「いいね!」といった、相手も自分もハッピーになれる言葉の具体的な使い方や効果がわかります。感謝や賞賛を素直に伝えることで、周りの人との関係が温かくなります。
- 人間関係を壊す「黒魔法」の言葉を避けられる 「でも…」「どうせ」「バカ」など、つい使ってしまいがちなNGワードがなぜダメなのか、そして代わりにどんな言葉を使えばいいのかが明確になります。人間関係のトラブルを未然に防ぐスキルが身につきます。
- 自分の気持ちを整理して伝えるスキルが身につく 「わたしは~と思う」「〇〇な気持ちだよ」といった、自分の感情や意見を正直に、かつ攻撃的にならずに伝える方法を学べます。モヤモヤした感情を言葉にする練習ができ、自己肯定感もアップします。
- 親子でコミュニケーションについて話すきっかけになる 「あ、この言葉パパがよく使ってる!」「これは気をつけようね」など、親子で会話しながら楽しく読み進められます。子どもの言葉遣いの悩みを、一方的に叱るのではなく、一緒に学ぶスタンスで解決できます。
2 こんな人におすすめ
- 子どもの言葉遣いに悩んでいる親御さん 「子どもが『バカ』『お前』など乱暴な言葉を使う」「友だちとケンカばかりで心配…」と感じている方。具体的な言い換えフレーズが満載です。
- 自分の意見を言うのが苦手な人(子ども・大人問わず) 引っ込み思案で言いたいことが言えなかったり、つい我慢してしまったりする人。気持ちを伝えるための「勇気が出る魔法の言葉」が見つかります。
- 人間関係でついカッとなってしまう人 イライラすると攻撃的な言葉を言ってしまい、後で後悔することが多い方。「黒魔法」の章を読むと、自分の言動を客観的に見つめ直すことができます。
- コミュニケーションの基本を改めて学びたい全ての人 子ども向けの本と侮ってはいけません。大人でも「これ、言っちゃってる…」とハッとさせられる内容ばかり。一生使えるコミュニケーションの基礎が詰まっています。
3 もう少し詳しく解説
著者の五百田達成さんは、書籍のシリーズ累計100万部を超える「話し方のプロ」。普段はビジネスパーソン向けの書籍が多い著者ですが、本書は「10歳までに身につけたい」というテーマで、子どもたちにコミュニケーションの大切さを伝える一冊です。
この本の最大の魅力は、言葉を**「白魔法(好かれる魔法)」と「黒魔法(嫌われる魔法)」**に分けた、ゲームのようなユニークなコンセプトです。全60の言葉が図鑑形式で紹介されており、それぞれに「どんなときに使う?」「どんな効果がある?」といった解説とかわいいイラストがついているので、読書が苦手な子でもスラスラ読めてしまいます。
例えば、「ありがとう」は『みんなが笑顔になる最強万能魔法』、「ごめんなさい」は『悲しい気持ちが救われる超回復魔法』として紹介されています。このように、言葉が持つ力をポジティブに捉えることで、子どもたちは自然と良い言葉を使いたくなるでしょう。
一方で、この本の真骨頂は**「禁断の黒魔法」**の解説にあるかもしれません。「でも…」は『相手が話を聞いてくれなくなる言い訳魔法』、「ウザい」は『頭がどんどんバカになる思考停止魔法』など、ドキッとするようなネーミングで、なぜその言葉がダメなのかを的確に説明しています。 これは大人にとっても耳が痛い話ばかり。つい使ってしまう口癖が、いかに人間関係や自分自身の思考に悪影響を与えているかに気づかされます。
本書は単なる言葉遣いのマニュアルではありません。「コミュニケーションは生きる力」であり、自分の気持ちを上手に伝えられれば、人生はもっと楽しくなるという、著者の温かいメッセージが込められています。親子で「この魔法、使えてるかな?」とチェックし合いながら読むことで、家庭での会話も豊かになる、まさに「ことばの魔法図鑑」です。