目次
結論から言うと
この本は、会社や他人の評価に振り回される「会社軸」の生き方をやめて、自分だけの「自分軸」を見つけ、何度でも挑戦できる自分になるための本です。失敗や逆境さえも成長のチャンスと捉え、自分らしい人生の舵を自分で切れるようになります。
1 この本を読むと得られること
- ブレない「自分の軸」の見つけ方がわかる 「自分軸って言われても、どう見つければいいの?」と思いますよね。この本では、過去の人生の浮き沈みをグラフにする「ライフラインチャート」や、たった2分で頭の中を書き出す「2分だけ日記」など、誰でも簡単に「自分の軸」を探せる具体的なワークが紹介されています。
- 失敗や逆境をチャンスに変える考え方が身につく 新しい挑戦には失敗がつきもの。でも、この本を読むと「失敗は最高の成長機会だ」と思えるようになります。失敗から学んで次に活かすことで、人生の幅と深さが増していく。そんなポジティブなマインドセットが手に入ります。
- 「会社に人生を託す」という幻想から解放される 「今の会社、10年後も大丈夫かな…」なんて不安、ありませんか?著者は「会社は永続する保証のない“共同幻想”だ」と断言します。会社に依存する危険性を理解し、自分の足で立つことの重要性がよくわかります。
- 明日からできる小さなアクションが見つかる 大きな変化は怖いもの。でも、本書が提案するのは「通勤ルートを少し変える」「挨拶に一言プラスする」といった、ごく小さな行動です。こうした小さな変化が新しい景色を見せてくれ、思考や環境をガラッと変えるきっかけになります。
2 こんな人におすすめ
- 会社の将来や自分のキャリアに、漠然とした不安を感じている人
- 「本当にやりたいことって何だろう?」と、自分の進む道に迷っている人
- 失敗を恐れて、新しい一歩を踏み出す勇気が持てない人
- 仕事に追われる毎日で、「自分らしさ」を見失っていると感じる人
- 周りの評価や「こうあるべき」という常識に縛られて、窮屈さを感じている人
3 もう少し詳しく解説
この本の著者、安永雄彦さんは、銀行員を21年、経営コンサルタントを15年経験したのち、61歳で僧侶になったという非常にユニークな経歴の持ち主です。だからこそ、本書の言葉にはビジネスの現場を知るリアリティと、仏教の教えに基づく深い洞察が詰まっています。
「会社軸」から「自分軸」へ
私たちは社会人になると、いつの間にか「会社の常識」を「自分の常識」だと思い込んでしまいがち。でも、経済が停滞し、将来の予測が難しい「長い下り坂」の時代では、会社任せの「会社軸」では生き残れません。自分の価値観や好奇心に基づいた「自分軸」を持つことが、道なき道を進むための“杖”になる、と著者は説きます。
「自分軸」は、すでにあるものを“見つける”だけ
「自分軸」は、ゼロから作るものではなく、あなたの中にすでにあるもの。それに気づくためのヒントが本書には満載です。例えば、「ライフラインチャート」で自分の感情が動くパターンを探ったり、誰に言われるでもなく夢中になった「子どもの頃の自分」を思い出したり…。自分を客観的に観察することで、眠っていた「本当の望み」が顔を出します。
「よそもの」だから、うまくいく
著者はイギリス留学の経験から、「異質なものにぶつかる」ことで自分が浮き彫りになると言います。新しい環境に飛び込むと、誰もが「よそもの」になりますよね。でも、その「よそもの」であることこそが強み。組織の古い常識を疑い、新しい風を吹き込む役割は「よそもの」にしかできません。「言いたいことは明快に言おう」という著者の言葉は、環境を変えたい、挑戦したいあなたの背中を力強く押してくれます。
仏教の知恵「あるがままに」
完璧な人間なんていません。ダメな部分や欠点だらけの自分を「凡夫(ぼんぷ)」と呼び、そんな不完全な自分を丸ごと受け入れるのが仏教の考え方です。思い通りにならないのが人生の基本。そう割り切ることで、心はしなやかになり、どんな状況でも穏やかに受け止められるようになります。
この本は、単なる精神論ではなく、具体的なアクションプランと、心を軽くする仏教の知恵が詰まった一冊です。もしあなたが今の生き方に少しでも迷いや不安を感じているなら、きっと「何度でもリセットしていいんだ」という勇気が湧いてくるはずです。