目次
結論から言うと
この本は、普通なら目を背けたくなるような世界の凶悪犯罪や、知るとゾッとするような怖い雑学を、全編マンガ形式でサクッと学べる一冊です。 読むことで、日常に潜む危険や人間の心理の奥深さを知り、物事をうわべだけでなく多角的に見る「知的なスリル」を味わうことができます。
1 この本を読むと得られること
- 世界の凶悪事件のリアルがわかる ニュースでは断片的にしか報じられない事件の、生々しい背景や顛末を漫画で追体験できます。「騒音トラブルが招いた一家惨殺事件」や「8年越しの逆恨み殺人」など、人間の感情が引き起こす悲劇のリアルさに、思わず息をのむはずです。
- 日常に潜む「心理学」を学べる 「一度大きな頼みを断ると、次の小さな頼みは断りにくい(ドア・イン・ザ・フェイス)」、「自分に不利な言い訳を用意してしまう(セルフハンディキャッピング)」など、知らず知らずのうちに私たちが陥っている心理のワナを学べます。自分や他人の行動の裏側が見えてきて、人間関係の見方が変わるかもしれません。
- 「知らなかった」では済まされない雑学が得られる 「事故物件は次の次の借り主には告知しなくていい」は本当? 「空き巣が使うマーキングの意味は?」といった都市伝説から、海外の「人肉カプセル」や「人毛醤油」といった信じがたい話まで。怖いけれど、知っておくことで防犯意識が高まる知識が満載です。
- 活字が苦手でも「読書」の楽しさを味わえる なんといっても全編マンガ形式。重くグロテスクなテーマを扱いながらも、視覚的にスラスラと読み進められます。「本を読むのは苦手…」という人でも、まるで週刊誌を読むような感覚で、あっという間に一冊読めてしまうでしょう。
2 こんな人におすすめ
- 活字ばかりの本は苦手だけど、知識はインプットしたい人
- 都市伝説や世界のミステリー、事件録が好きだけど、分厚い本を読む時間がない人
- 人間の心理の「闇」の部分に興味があり、「なぜ人はそんなことをするのか?」を知りたい人
- 日常の「当たり前」を疑ってみたい、物事の裏側を知るのが好きな人
- 友人との会話で「実はさ…」と話せる、ちょっとダークなネタを仕入れたい人
3 もう少し詳しく解説
著者はなぜ、こんな不謹慎なマンガを?
著者の葛西りいちさんは、なんと第一子を妊娠中に「無性に残酷なモノが見たい!」という衝動に駆られたそうです。産科の先生に相談すると「ホルモンのせいだから大丈夫。産後には興味なくなるよ」と言われたものの、産後もその欲求は消えず…。気づけばこのテーマで6年以上も連載を続けることになった、というユニークな経緯があります。単なる猟奇趣味ではなく、著者の抑えきれない探究心から生まれた作品だからこそ、妙な説得力と人間味があるのかもしれません。
この本の「ヤバい」特徴
本書の最大の特徴は、「重いテーマ」を「マンガ」で軽快に読ませる点にあります。
例えば、「アナタハン島の女王事件」。孤島に男32人と女1人という極限状況で何が起きたのか。文章で読むと重苦しい内容も、マンガなら人物の表情や状況がひと目でわかり、ストーリーとしてすんなり頭に入ってきます。
また、凶悪犯罪だけでなく、コロナ禍で話題になった「自粛警察」や、あなたが普段何気なく利用しているスーパーマーケットに隠された「客にたくさん買わせるための仕掛け」など、時事ネタや身近なテーマも豊富。著者と担当編集者T氏の軽妙な掛け合いが、怖い話の合間の清涼剤となり、読者を飽きさせません。
「怖い」の先にあるもの
この本は、ただ怖い話を集めただけではありません。例えば、「傍観者効果」という心理効果の解説では、「電車内で女性が襲われているのに、40人の乗客が誰も助けなかった」という衝撃的な事件を紹介しています。これを知ると、「自分ならどうするだろう?」と考えさせられ、いざという時に行動するための教訓を得られます。
『知りたくなかった!世界の最凶犯罪事件簿』は、あなたの好奇心を満たし、同時に日常に潜むリスクや人間の心の不思議さを教えてくれる一冊。読書が苦手なあなたも、この本をきっかけに、知の世界の新たな扉を開いてみてはいかがでしょうか?ただし、読んだ後に世界が少しだけ違って見えてしまっても、自己責任でお願いしますね。