目次
結論から言うと
この本は、キラキラしたイメージのテレビ業界の裏側で、フリーのイラストレーターが理不尽な「無茶振り」と戦うサバイバルな日常を描いたコミックエッセイです。これを読めば、フリーランスとして働くことのリアルな厳しさと、どんな困難も笑いに変えるタフな精神を学ぶことができ、テレビドラマの見方が180度変わるかもしれませんよ!
1 この本を読むと得られること
- テレビ業界のリアルな裏側がわかる 刑事ドラマで使われる「犯人の似顔絵」は、実は「そっくりすぎてもNG」って知ってましたか? 本書では、そんな知られざる制作の裏側や、撮影の長い待ち時間、スタッフたちの人間関係まで、現場にいる人しか知らない情報が満載です。
- フリーランスのサバイバル術が学べる 「1カットでこの値段」という言葉の解釈の違いで、ギャラが4分の1に!? なんて恐ろしいエピソードも。著者こいけまりさんの体験を通して、シビアなギャラ交渉の重要性や、理不尽な要求を切り抜けるためのリアルな交渉術を学ぶことができます。
- クリエイターの仕事の面白さと大変さがわかる 巨大な壁画を1週間で描いたり、演者さんの後ろから手だけ出して墨絵を描く「二人羽織」をやらされたり…。クリエイターの仕事がいかに特殊でクリエイティブか、そして同時にどれだけ過酷かがユーモラスに描かれています。自分の作品が一瞬しかテレビに映らない切なさにも共感するはず。
- どんな逆境も笑い飛ばせるポジティブ思考が身につく 次から次へと襲いかかる無茶振りの数々。普通なら心が折れそうな状況も、著者は持ち前のユーモアで笑いに変えて乗り越えていきます。仕事でツラいことがある人も、「それに比べればマシかも…」と前向きな気持ちになれること間違いなしです。
2 こんな人におすすめ
- テレビ業界やクリエイティブな仕事に憧れている人 華やかな世界の裏にある、泥臭くて人間味あふれるリアルな現場を知ることで、より深く業界を理解できます。
- イラストレーターやフリーランスを目指している人 仕事の取り方からギャラ交渉、クライアントとの付き合い方まで、教科書には載っていない実践的な知識が詰まっています。
- 仕事で理不尽な上司やクライアントに悩んでいる人 「わかる〜!」と共感できるエピソードの連続に、日頃のストレスが笑いと一緒に吹き飛んでスッキリします。
- サクッと読める面白いコミックエッセイを探している人 難しい話は一切なし! テンポの良いストーリーと面白い絵で、読書が苦手な人でもあっという間に読み終えられます。
3 もう少し詳しく解説
著者はどんな人?
著者の こいけまり さんは、TBSやNHKといったテレビ局で、ドラマに使われる似顔絵やポスター、墨絵などを手掛けてきたプロのイラストレーター。ひょんなことからテレビ業界に足を踏み入れ、その特殊な環境で数々の修羅場をくぐり抜けてきました。本書は、そんな彼女の汗と涙(と笑い)の記録です。
この本の何が特別なの?
最大の特徴は、「テレビ業界で働くフリーのイラストレーター」という、非常にニッチで珍しい視点から描かれていること。ディレクターからの無茶振り、ADさんとのやり取り、大物俳優さんとの遭遇など、普通の人が絶対に体験できないエピソードが満載です。
特に笑える(でも本人にとっては笑えない)のが、テレビ業界特有の 「トンデモ無茶振り列伝」 です。
- 「犯人の似顔絵は“もっとあいまいに”」事件 あまりに似すぎていると「目撃情報っぽくない」という理由で描き直しに。正解がわからないまま描き続ける地獄…。
- 「二人羽織で墨絵を描け」事件 撮影の都合で、演者さんの後ろから手だけを出し、手元が見えない状態で墨絵を描くという神業を要求されます。まさに現代の忍者!
- 「ギャラは1枚分で」事件 「3つのシーンの絵を、1枚の紙にまとめて描いて。ギャラは1枚分でよろしく!」という悪魔のような交渉。フリーランスの懐事情の厳しさが伝わってきます。
こうした過酷な要求を、著者は「フフフ…魔王め!」「成敗してくれるわっ!」と心の中で叫びながら乗り越えていきます。その姿は、読者に勇気と笑いを与えてくれるはず。
テレビの裏側を覗いてみたい人も、フリーランスの働き方に興味がある人も、ぜひこの本を手に取ってみてください。きっと、あっという間に読み終わり、テレビの見方が少し変わるはずですよ。