目次
結論から言うと
日本史は、バラバラな知識を暗記する退屈な科目ではありません。実は、旧石器時代から現代まで続く、1本の壮大な物語なんです。 この本を読めば、年号や人名の暗記に苦しむことなく、歴史全体の流れがスッキリと頭に入り、「日本史って面白い!」と心から思えるようになります。
1 この本を読むと得られること
- 歴史の流れが「物語」として頭に入る 歴史上の出来事がすべて「数珠つなぎ」になっているので、まるで連続ドラマを見ているかのようにスラスラ読み進められます。「あの出来事とこの出来事って、どう繋がってるの?」という疑問が解消され、歴史の大きな流れが自然と頭に入ってきます。
- 「で、結局誰が一番偉かったの?」がすぐに分かる この本では、各時代の「政権担当者」(天皇、将軍、総理大臣など)が主人公。時代の主役が誰なのかが明確なので、権力がどう移り変わっていったのかが一目瞭然です。登場人物が多くて混乱しがちな日本史も、これなら迷子になりません。
- 苦痛な「年号の暗記」から解放される なんと、この本には年号や西暦が一切出てきません。著者は「桃太郎の話に年号がなくても覚えられるのと同じ」と言います。まずはストーリーをしっかり掴むことに集中できるので、無味乾燥な暗記作業とはおさらば。歴史の流れを理解した後なら、必要に応じて年号を覚えるのもずっと楽になります。
- 歴史上の出来事の「なぜ?」がクリアになる 年号という「ノイズ」がない分、出来事と出来事の「つながり」や「因果関係」がくっきりと見えてきます。「なぜあの事件が起きたのか」「なぜあの人物はあんな行動をとったのか」が、物語の文脈の中でスッと理解できるので、知識が定着しやすくなります。
2 こんな人におすすめ
- 学生時代、日本史の授業で挫折してしまった社会人
- 登場人物が多くて、誰が何をしたのかすぐにごちゃごちゃになる人
- 「1192(いいくに)つくろう鎌倉幕府」のような年号の語呂合わせにうんざりした人
- 歴史ドラマやゲームは好きだけど、教科書を開くと眠くなってしまう人
- 日本の歴史の大きな流れを、教養としてサクッと学び直したいと考えている人
3 もう少し詳しく解説
著者はどんな人?
著者の山﨑圭一さんは、公立高校の現役教師でありながら、YouTubeで社会科の授業を配信している大人気YouTuberです。「先生の授業をいつでも受けられるようにしてほしい!」という教え子たちの声から始まった動画チャンネルは、その圧倒的な分かりやすさから口コミで広がり、今や登録者数は数万人を超えています。
なぜ、日本史が「絶対に忘れない」ほど面白くなるのか?
多くの人が日本史を苦手だと感じる原因について、著者は「学校の教科書の構造」にあると指摘します。
- 中学校の教科書:要点だけを抜き出しているので、時代と時代のつながりが分かりにくく、話が飛んでいるように感じる。
- 高校の教科書:時代ごとに「政治」「経済」「文化」とテーマが分かれているため、話があちこちに行き来してしまい、タテの流れが掴みにくい。
こうした「わかりにくさ」を解消するため、本書では3つの画期的なアプローチが取られています。
- すべてを「1つのストーリー」に 一般的な教科書と違い、古代から現代までを「政権担当者」を主役に、時間軸を一直線にして解説。経済や社会の出来事も、その時代の政治の動きと関連付けて語られるので、話が脱線せず、物語に没頭できます。
- 主役は「政権担当者」 天皇・将軍・内閣総理大臣など、その時代に最も力を持っていた人物に焦点を当てることで、政治史という歴史の「幹」が非常にはっきりとします。誰が、なぜ、何をしたのかがクリアになり、複雑な人間関係もスッキリ整理されます。
- あえて「年号を使わない」 これが本書最大の特徴です。年号をなくすことで、読者は出来事の順番や因果関係に集中せざるを得なくなり、かえって歴史の流れが深く理解できるようになります。暗記のプレッシャーから解放され、純粋に物語として歴史を楽しむことができるのです。
これらの工夫により、『一度読んだら絶対に忘れない日本史の教科書』は、ただの学習参考書ではなく、壮大な歴史エンターテインメントとして楽しめる一冊になっています。これまで日本史に苦手意識を持っていた人こそ、この本で「わかる喜び」と「学ぶ楽しさ」を体験してみてください。