目次
結論から言うと
株は才能やセンスではなく、練習すれば誰でも身につけられる「技術」です。本書を読めば、会社の業績に詳しくなくても、株価チャートの決まった「形」を見つけるだけで、勝てるチャンスを狙い撃ちできるようになります。
1 この本を読むと得られること
- 勝てるタイミングがわかる「売買サイン」 本書で紹介される「7つ道具」と「3つのシグナル」というシンプルな法則を使えば、いつ買うべきか、いつ売るべきかという「ストライクゾーン」がチャート上で見つけられるようになります。もう「なんとなく」の売買で一喜一憂する必要はありません。
- 初心者でも無理なく始められる具体的な投資法 「ショットガン投資法」という、2日〜1週間で完結する短期売買のテクニックが学べます。リスクを抑えながらコツコツ利益を積み重ねる方法で、「まずは30万円の資金で月15万円を確実に稼ぐ」という具体的な目標が示されています。
- 感情に振り回されない「待つ」スキル 「チャンスだ!」と思ってもすぐに飛びつかず、「待て!」と自分に声をかけることの重要性が繰り返し説かれています。焦って売買して失敗するパターンから抜け出し、負けを大幅に減らすための心構えが身につきます。
- 自分のレベルに合わせて成長できるロードマップ 初心者向けの「ショットガン」から、中級者向けの「ショートトレード」、そして上級者向けの「うねり取り」まで、3つのレベルに応じた投資法が解説されています。自分のスキルや資金に合わせて、着実にステップアップしていく道筋が見えます。
2 こんな人におすすめ
- 株を始めたいけど、何から勉強すればいいか分からない人
- 企業の業績や難しい経済ニュースを追いかけるのが苦手な人
- 投資経験はあるけど、なかなか利益が出ずに悩んでいる人
- 感情に流されて「高値掴み」や「狼狽売り」をしてしまいがちな人
- 株をギャンブルではなく、一生使える「技術」として身につけたい人
3 もう少し詳しく解説
本書の著者は、株歴37年のプロトレーダー「相場師朗」氏。20歳から投資を始め、連戦連勝を続ける「株職人」として知られています。その豊富な経験から導き出された投資法は、驚くほどシンプルです。
ファンダメンタルズは不要!チャートだけ見る
この本の最大の特徴は、「企業の業績や将来性(ファンダメンタルズ)は一切見ない」と断言している点です。株価は結局、「買いたい人」と「売りたい人」の心理で動くもの。その心理がすべて現れているのが「株価チャート」だ、というのが著者の考え方。だから、見るべきはチャートだけ、というわけです。
野球のように「ストライク」だけを打つ
本書のトレード手法は、野球のバッティングに例えられています。難しいボール球に手を出して三振するのではなく、「これは打てる!」と確信できる「ストライクボール」だけを狙って打つ。株でも同じように、チャート上に現れる特定の「勝ちやすい形(売買シグナル)」が出現するまでじっと待ち、そこだけを狙ってエントリーする。この徹底したスタイルが、高い勝率の秘訣です。
その「ストライク」を見極めるための武器が、以下の2つです。
- 7つ道具:「移動平均線(株価の平均値をつないだ線で、相場の流れを読むためのもの)」や、相場の転換点を知る「9の法則」など、チャート分析の基本となる7つのアイテム。
- 3つのシグナル:「ものわかれ」や「下半身」といった、買い時・売り時を教えてくれる3つのGOサイン。
本書では、これらの道具とシグナルをどう使って戦うのかが、豊富なチャート図とともに徹底的に解説されています。
株は「練習」すれば必ず上達する
著者は「株は技術だ」と繰り返し強調します。つまり、自転車の乗り方やスポーツと同じで、正しい方法で練習を重ねれば、誰でも必ず上達できるということです。本書は単なるノウハウ本ではなく、練習を積んで「一生モノの技術」を身につけるための、最高のコーチになってくれる一冊です。