目次
結論から言うと
株の勝ち負けは、運やセンス、経済の知識量では決まりません。本書が教えてくれるのは、「株は技術だ!」 というシンプルな事実。38年間勝ち続けてきたプロの「株職人」が編み出した、たった3つのサインを見抜く技術を身につければ、初心者でも予測しやすい「ド・ストライク」の場面だけで勝負できるようになります。
1 この本を読むと得られること
- 負けないための「戦わない勇気」が身につく 野球のバッターが難しいボール球を見送るように、株も「勝てるときだけ戦う」のが鉄則。本書の「ド・ストライク」理論を学べば、どこで勝負すべきか、どこで待つべきかが明確になり、無駄な損失を劇的に減らせます。
- チャートを読む具体的な「3つの道具」が使えるようになる 著者が使う道具は「ローソク足」「移動平均線」「節目」の3つだけ。特に移動平均線の並び順でトレンドを読む「PPP(パンパカパーン)」や、トレンド転換のサイン「W天井・W底」など、ユニークで覚えやすい分析法をマスターできます。
- プロのリスク管理術「建玉(ぎょくだま)の操作」がわかる 予測が外れた時に損失を最小限に抑える「ヘッジ(保険の空売り)」や、利益を伸ばす「買い増し」のタイミングなど、資産を守りながら増やすための具体的な操作方法が学べます。これで「損切りできない…」という悩みからも解放されますよ。
- 1億円を目指す「リアルな道のり」が見える 「頑張れば1億円!」といった精神論ではありません。月50万円の利益を安定させることから始め、10年で1億円を達成するための超具体的なステップが示されています。自分の現在地と目標が明確になり、モチベーションを維持しやすくなります。
2 こんな人におすすめ
- 株を始めたいけど、何から勉強していいか分からない人
- いろいろな投資本を試したけど、結局勝てていない人
- 買った株が値下がりすると不安で、冷静な判断ができなくなる人
- 感覚や「なんとなく」で売買して、後悔することが多い人
- 毎日チャートに張り付く時間はないけど、資産は増やしたい人
3 もう少し詳しく解説
著者はどんな人?
著者の相場師朗(あいば しろう)氏は、なんと株歴38年で「連戦連勝」を続ける伝説のトレーダー。「株は技術だ」という信念のもと、職人のようにチャート分析を極めてきました。自身が主宰する「株塾」には、医師や弁護士といった知識層も含め、多くの塾生が学びに来ており、その指導力と技術の信頼性は折り紙付きです。
シンプルだけど奥深い「相場式」の教え
本書の最大の魅力は、複雑な株の世界を、驚くほどシンプルで覚えやすい言葉で解説している点です。
- ド・ストライクを狙う 株価が上昇するか下落するかわからない「ボール球」には手を出さず、予測精度が極めて高い「ど真ん中のストライク」が来たときだけバットを振る(売買する)という考え方。具体的には、「100日移動平均線」の上にあるか下にあるかで基本的な戦略を決め、さらに「下半身」と呼ばれるローソク足の形でエントリーのタイミングを絞り込みます。
- PPPは“ゴキブリ” 「PPP(パンパカパーン)」とは、移動平均線が長期・中期・短期の順にきれいに並んだ、強い上昇トレンドのこと。このトレンドは非常にしぶとく、少し下がってもまた復活することが多いため、著者は「ゴキブリのようだ」と表現します。この言葉を知っているだけで、安易な逆張り(トレンドに逆らった空売り)をして大損するリスクを避けられます。
日本株も米国株も、この技術一本でOK!
この本で紹介されている技術は、日本株だけでなく、アマゾンやフェイスブックといった米国株、さらには1日で取引を終えるデイトレードにも応用可能です。つまり、一度身につければ一生使える「ポータブルスキル」だということ。特に米国株は、力強い上昇トレンドが長く続く特徴があるため、「買い」で中長期的に保有する戦略が有効だと解説されています。
難しい経済ニュースを追いかける必要はありません。チャートという「地図」を正しく読む技術さえあれば、誰でも資産形成の旅に出られる。本書は、そのための最高のガイドブックになってくれるはずです。