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結論から言うと
『会社四季報』は、難しい数字を分析するための本ではありません。実は、四季報記者が仕掛けた「謎」を解き明かす、推理小説のような最高に面白い「読み物」なのです。この本を読めば、退屈だった投資の勉強が「宝探しゲーム」に変わり、楽しみながら自然と投資の腕も上がっていきます。
1 この本を読むと得られること
- 「謎解き」のように株を探す、新感覚の楽しさ 四季報の記事に隠された「虎視眈々」「積極投資」「不気味」といったキーワードが、次に来る株価上昇のサインかもしれません。本書では、これらの言葉の裏に隠された記者の本音や企業の未来を読み解く方法を教えてくれます。まるでミステリー小説の犯人を当てるかのように、ワクワクしながらお宝株を探せるようになります。
- 数字アレルギーでも儲かる株を見つける具体的なテクニック 「決算書なんて読めない…」という人でも大丈夫。チャートの形が「ぴょこっ」と上向くのを探すだけの**「月足ぴょこ投資法」や、会社の業績予想と四季報の予想の違いを教えてくれる「ニコちゃんマーク」**など、視覚的で直感的なテクニックが満載です。難しい計算は一切不要です。
- 他の投資家が気づかない「お宝情報」を見抜く視点 有名な企業の「ウラの顔」を知っていますか?例えば、調味料の「味の素」が半導体関連事業で稼いでいる、なんて話も。本書を読めば、会社の【特色】や【連結事業】の欄から、世間では知られていない成長の種を見つけ出すユニークな視点が身につきます。
- 「風が吹けば桶屋が儲かる」式の発想力 「東京オリンピックでソニーのカメラが活躍」→「じゃあ、ソニーのレンズを作っているタムロンも儲かるかも?」というように、ニュースから関連企業を連想するゲーム感覚の投資法が学べます。四季報の【販売先】欄を見れば、この連想ゲームの精度が格段にアップします。
2 こんな人におすすめ
- 株式投資に興味はあるけど、何から手をつけていいか分からない人
- 『会社四季報』を買ってみたものの、分厚くてどこを読めばいいか分からず挫折した人
- 決算書や難しい数字を見るのが苦手で、投資を諦めかけている「ド文系」の人
- 勉強は嫌いだけど、ゲームや謎解きは好きで、楽しみながら資産を増やしたい人
- 今の投資スタイルにマンネリを感じ、新しい発見を求めているベテラン投資家
3 もう少し詳しく解説
著者の藤川里絵さんは、もともと「数字嫌い」を自認するド文系の個人投資家。かつては、多くの人がやるように四季報の数字とにらめっこしていましたが、苦痛なだけで成果も出ませんでした。
そんなある日、彼女は画期的な発見をします。それは、四季報の「記事欄」にこそ、お宝情報が隠されているということでした。限られた文字数の中で記者が伝えたい「本音」や、大人の事情で書けない「匂わせ」が、まるで暗号のように散りばめられていたのです。
例えば、ある会社の記事欄の見出しに「不気味」という一言。これを発見した著者は、過去の四季報をさかのぼります。すると、その半年前から「予兆」という言葉で、ある企業による買収劇が静かに始まっていたことを突き止めます。この「謎」に気づけていれば、株価が2倍になるチャンスを掴めていたのです。
本書は、このような「謎解き」の具体例をふんだんに紹介しています。
- 会社の本当の姿を見抜く「変態」企業探し 食器メーカーだと思っていた「ノリタケ」が、実は工業機材で稼いでいるように、祖業から大きく姿を変えて(変態して)成長する会社を見つける方法。
- お金の流れから成長期を見抜く 財務欄の**投資CF(キャッシュフロー:会社のお金の流れ)**がマイナスなら、それは会社が未来のために積極的に投資している証拠。赤字でも株価が上がる成長企業のサインかもしれません。
- 株価上昇のサイン「月足ぴょこ」投資法 ずっと横ばいや下落が続いていた株価チャートが、急に「ぴょこっ」と上向きの線(陽線)をつけたら、それは上昇トレンドの始まりの合図かもしれません。全3800社の中から、この形を探すだけでお宝候補が見つかります。
このように、『世界一楽しい!会社四季報の読み方』は、投資の堅苦しいイメージを180度変えてくれる一冊です。この本を片手に四季報を開けば、あなたもきっと「四季報ナイト」で徹夜してしまうほど、その魅力にハマってしまうでしょう。