ただのファンタジーじゃない!『オルクセン王国史』が教える、常識を覆す生存戦略

オルクセン王国史

オルクセン王国史

ISBN: 4824201780
4分で読める

結論から言うと

この漫画『オルクセン王国史』が教えてくれるのは、**「見た目や噂で判断するな。物事の本質を見極めることが、絶望的な状況を打開する唯一の鍵だ」**ということです。 ファンタジーの「お約束」を気持ちよく裏切られる快感と共に、常識を疑い、逆境をチャンスに変えるための思考法が自然と身につきます。

1 この本を読むと得られること

この漫画を読むことで、あなたはこんなメリットを得られます。

  1. 固定観念を壊す視点 「高貴で平和なエルフ」と「野蛮で凶暴なオーク」。そんなありきたりなイメージは、最初の数ページで粉々に砕け散ります。同胞に裏切られるエルフ、高度な文明を築くオーク。物事を多角的に見るクセがつき、あなたの思考を柔軟にしてくれます。
  2. 理想のリーダーシップ像がわかる オークを率いるグスタフ王は、ただ強いだけではありません。彼は深い知識と先見の明を持ち、敵であった種族さえも受け入れる器の大きさを示します。彼の言動から、人を惹きつけ、組織を動かす真のリーダーシップとは何かを学べます。
  3. 「強い国」の作り方が物語で理解できる この物語は、剣と魔法だけの戦いではありません。食料を生み出す「農業技術」、物資を運ぶ「鉄道」、兵士を支える「兵站」など、国を強くするためのリアルな要素が満載です。なぜ食事が重要なのか、なぜインフラが勝敗を分けるのかが、ストーリーを通して直感的に理解できます。
  4. 絶望から立ち上がる勇気をもらえる 主人公のディネルースは、故郷も仲間も失い、すべてを奪われます。そんな絶望的な状況から、彼女がどうやって活路を見出し、新たな目的のために立ち上がるのか。その姿は、困難な状況にいるあなたの背中をそっと押してくれるはずです。

2 こんな人におすすめ

  • 普通のファンタジー作品に飽きてしまった人
  • 歴史シミュレーションゲームや国家運営系の話が好きな人
  • 「なんで?」と物事の裏側や仕組みを考えるのが好きな人
  • 強い女性主人公が理不尽に立ち向かう物語にワクワクする人
  • 漫画でサクッと、骨太な戦略論やリーダー論に触れたい人

3 もう少し詳しく解説

この『オルクセン王国史』は、原作を樽見京一郎さん、漫画をミリタリー描写に定評のある野上武志さんが担当しています。だからこそ、ファンタジーの世界観に、驚くほどリアルな戦略や国家運営の視点が盛り込まれているんです。

▼物語のあらすじ

物語の主人公は、ダークエルフの族長 ディネルース。彼女は平和な村で暮らしていましたが、ある日突然、同胞であるはずの「白エルフ」の軍隊に襲撃されます。

「お前たちが"闇エルフ"だからだ」

理不尽な**「民族浄化」**(特定の民族を一方的に排除すること)によって故郷を追われた彼女たちは、敵国であるオークの領地へと逃げ込みます。

「オークといえば、汚らわしく凶悪で、飢えれば同族さえ喰らう存在…」

そんな絶望的なイメージを抱きながらオークに保護されたディネルース。しかし、彼女がそこで見たのは、想像を絶する光景でした。

▼常識がひっくり返るオークの国

オークの国「オルクセン王国」は、清潔な部屋、バターとジャムが添えられた美味しいパン、ハーブで煮込まれた肉料理といった豊かな食文化がありました。さらに、

  • 輪栽式農法: 土地を休ませることなく効率的に作物を育てる先進的な農業技術。
  • 刻印式魔術: バターを冷やすなど、魔術を生活を豊かにするために活用。
  • 多種族共存: オークだけでなく、ドワーフや人間族までが共存し、活気ある街を形成。
  • インフラ整備: 首都まで一気に大兵力を輸送できる「鉄道網」。

これらすべてを築き上げたのが、オーク王 グスタフ・ファルケンハイン でした。

彼はディネルースたちを保護し、こう提案します。

「貴女の同胞たち皆で、我が国オルクセンに来るといい」

実はグスタフは、いずれエルフの国と国力を全てぶつけ合う**「国家総力戦」が起こることを見越していました。そのために、彼は数年前から地図上で戦争をシミュレーションする「クリーク・シュピール(図上演習)」**を繰り返し、周到に侵攻計画を練っていたのです。

自分たちダークエルフの亡命すら、その壮大な計画の一要素に過ぎなかったことを知ったディネルース。しかし彼女は、グスタフの深慮遠謀と、自分たちへの配慮を理解し、彼の臣下となって故郷への復讐を誓います。

ファンタジーの常識を覆し、リアルな戦略論が展開される『オルクセン王国史』。読み始めれば、あなたもきっとこの奥深い物語の虜になるはずです。

この本を読んでみたくなりましたか?

気になった方は、ぜひ実際に手に取って読んでみてください。

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