目次
結論から言うと
本書は、新米リーダーが抱える「何をすればいいの？」という漠然とした不安を解消してくれる最強の「地図」です。リーダーの仕事とは「組織の成果に責任を持ち、ビジネス成果の最大化と人材育成をすること」だと明確に示した上で、そのための具体的なスキルと考え方を網羅。これ一冊あれば、もう手探りで悩むことはありません。
1 この本を読むと得られること
- リーダーの仕事の「全体像」がわかる 「マインドセット」「メンバー」「チーム」「ビジネス」「サイクル」「セルフ」「メンタル」という7つの分野から、リーダーがやるべきことのすべてがわかります。まるでカーナビのように、今自分がどこにいて、次に何をすべきかが明確になります。
- 明日から使える具体的なスキルが身につく 「仕事はWhyから伝える」「1on1コミュニケーションの始め方」「効果的な褒め方・任せ方」など、すぐに現場で試せる実践的なテクニックが満載。理論だけでなく、どう行動すればいいかが具体的に示されているので、即戦力になります。
- メンバーとの関係構築がうまくいく 年上の部下やちょっと扱いにくい部下との接し方、メンバー一人ひとりの成長意欲を引き出すコミュニケーション術など、人間関係の悩みを解決するヒントが詰まっています。「人は想定通りに動かない」という前提に立ったリアルなアドバイスが心強いです。
- 自分自身のメンタルを守る方法がわかる リーダーは孤独で、プレッシャーも大きいもの。本書では、メンバーだけでなくリーダー自身の「メンタル・マネジメント」にも焦点を当てています。「つらくなったら逃げてもいい」といった、心を軽くする具体的な防衛術を学べます。
2 こんな人におすすめ
- 急にリーダーに任命され、何から手をつけていいか途方に暮れている人
- 年上の部下や個性的なメンバーとのコミュニケーションに悩んでいる人
- 「自分でやったほうが早い」が口グセで、仕事を任せるのが苦手な人
- チームの成果がなかなか上がらず、プレッシャーで押しつぶされそうな人
- リーダーという立場に不安や孤独を感じ、「自分には向いていないかも」と思っている人
3 もう少し詳しく解説
著者の木部智之氏は、日本IBMやパナソニックで大小さまざまなチームを率い、数々の炎上プロジェクトを立て直してきた経歴を持つ、マネジメントのプロフェッショナルです。
本書の最大の魅力は、その圧倒的な「網羅性」と「実践性」にあります。著者が膨大な経験から得た知見を104項目に分解し、まるで辞書のように、どんな悩みにも答えが見つかる構成になっています。
しかし、ただのノウハウ集ではありません。本書の根底には、「リーダーは偉い人ではない。単なる役割だ」というフラットな思想があります。だからこそ、メンバー一人ひとりと真摯に向き合い、彼らの成長を心から願う温かい視点が貫かれています。
例えば、部下に仕事を依頼するとき、ただ「What（何を）」を伝えるのではなく、「Why（なぜこの仕事が必要か）」から話すことで、メンバーのモチベーションとアウトプットの質が劇的に変わると解説しています。これは、多くのリーダーが見落としがちな、しかし極めて重要なポイントです。
「ピンチは絶好の成長機会」「できるリーダーは暇をめざす」といった、逆境を乗り越え、さらに成長するための力強いメッセージも満載。この本は、あなたのリーダー人生における最高の相棒であり、いつでも立ち返れる「お守り」のような一冊になるでしょう。