目次
結論から言うと
株で勝ち続けるのに「必勝法」は必要ありません。本当に大切なのは、株価の大きな流れ（トレンド）を読んでそれに乗り、「有利な場面」でだけ勝負して、もし読みが外れたら「すぐ逃げる（ロスカットする）」という、プロの戦い方を身につけることです。 この本を読めば、運や勘に頼るギャンブル的な投資から卒業できます。そして、プロのように冷静に、リスクを抑えながら着実に利益を積み重ねるための具体的な「型」が手に入ります。
1 この本を読むと得られること
- 上昇相場でも下落相場でも利益を出せるスキル 株は「安く買って高く売る」だけではありません。株価が下がるときに利益を出す「カラ売り」というテクニックも具体的に学べます。これにより、相場がどんな状況でもチャンスに変える力がつきます。
- リスクを最小限に抑える「負けない」戦い方 著者が最も重視する「ロスカット（損切り）」の明確なルールが分かります。「いつか上がるかも…」と含み損の株を持ち続ける（塩漬けする）悪習慣から抜け出し、致命的な大負けを防ぐ方法が身につきます。
- プロが実践する具体的な売買タイミング 「いつ買って、いつ売るのか？」という最大の疑問に、チャートを使って具体的に答えてくれます。特に「押し目買い」「戻り売り」という、リスクが低くリターンが狙えるベストなタイミングを見極める方法をマスターできます。
- あなたの生活に合わせた投資スタイルがわかる 1日で取引を終える「デイトレード」から、数日間ポジションを持つ「スイングトレード」まで、複数の手法を紹介。仕事が忙しくてずっとチャートに張り付いていられない人でも、自分に合った投資スタイルを見つけられます。
2 こんな人におすすめ
- 株を始めたけど、買うと下がり、売ると上がる…とタイミングが全然つかめない人
- 「損切り」が苦手で、気づけば含み損の株ばかり（塩漬け株）になっている人
- 感覚や運に頼ったギャンブル投資から抜け出して、再現性のある方法を学びたい人
- 株価が下がると「ただ祈る」ことしかできず、もどかしいと感じている人
- チャートの見方がよくわからず、何となくで売買してしまっている人
3 もう少し詳しく解説
著者の背景
著者の二階堂重人さんは、20年以上もトレードだけで生計を立ててきたプロ中のプロ。驚くべきことに、月間ベースでの勝率は8割以上を誇ります。本書は、そんな著者が長年の経験から導き出した、極めて実践的な「攻略法」を惜しみなく公開した一冊です。
本の特徴や独自性
この本の最大の特徴は、「誰でも必ず勝てる必勝法はない」と正直に断言している点です。その上で、「ではどうすれば勝ち続けられるのか？」という問いに、「優位性の見極め」と「ロスカット」という2つのシンプルな答えを提示します。
本書が推奨するのは「順張り（じゅんばり）」というスタイル。これは、株価が上がっている流れ（トレンド）に乗って買い、下がっている流れに乗って売るという、相場の勢いを味方につける方法です。初心者には難しく感じる「逆張り（ぎゃくばり）」（流れに逆らう手法）よりもリスクが低く、大きな利益を狙いやすいのが魅力です。
より深い内容の解説
本書では、具体的なトレード手法が豊富なチャート付きで解説されています。特に重要なのが「押し目買い（おしめがい）」というテクニックです。
これは、上昇トレンド中に株価が一時的に少し下がった（専門用語で「押し」や「調整」と言います）タイミングを狙って買う方法です。「もう上がりきったかな？」という天井付近で買ってしまう「高値づかみ」のリスクを避けられるため、初心者でも安心してエントリーできます。
具体的には、「週足チャートで大きな流れを確認し、日足チャートで買うタイミングを計る」というように、複数の時間軸のチャートを組み合わせたプロの分析方法がステップ・バイ・ステップで書かれています。
また、上昇相場での買い手法だけでなく、下落相場で利益を出す「カラ売り」の手法も同様に詳しく解説。これにより、どんな相場状況でも利益を狙えるようになります。さらに、少ない資金で大きな取引ができる「信用取引」の活用法や、1日で取引を完結させる「デイトレード」の具体的な戦略も学べます。
そして何より、著者が繰り返し説くのが「ロスカット（損切り）」の重要性です。「エントリーした根拠が崩れたら、迷わず損切りする」という明確なルールを徹底することで、致命的な大負けを防ぎ、相場で長く生き残るための土台を築くことができます。「なんとなく損切りできない」という、投資家が最も陥りがちな失敗からあなたを救ってくれるでしょう。