目次
結論から言うと
会話の極意は、ズバリ**「話さないこと」**。自分が一生懸命話すプレッシャーから解放され、相手に気持ちよく話してもらうだけで、驚くほど人間関係はうまくいき、むしろ相手から好かれるようになります。
1 この本を読むと得られること
- 会話のプレッシャーから解放され、人と話すのがラクになる 「自分が何か面白いことを言わなきゃ」という呪縛から解放されます。会話の主役は相手だと割り切り、聞き役に徹することで、心に余裕が生まれます。
- なぜか相手から好印象を持たれる 人間は「自分の話を聞いてもらうこと」に快感を覚える生き物。会話の7割を相手に話してもらう「7:3の法則」を意識するだけで、相手は「この人との会話は楽しい!」と感じ、自然と「また会いたい」と思われる存在になれます。
- 話題が途切れない「質問力」が身につく 「何を話せば…」という悩みは、**「縦・横・前・後」**の質問テクニックで解決できます。相手の話を深掘りしたり(縦)、過去や未来の話に広げたり(前・後)することで、無限に会話を続けられます。
- 「話しかけやすい人」の雰囲気をまとえる 難しいテクニックは不要です。いつもニコニコしていること、ポジティブな言葉を選ぶこと、そして自分の失敗談などを話す**「逆マウンティング」**で親しみやすさを演出するなど、誰でも真似できる方法で、相手が安心して話せる空気を作れます。
2 こんな人におすすめ
- 初対面の人と何を話せばいいか分からず、固まってしまう
- 会話がすぐに途切れて、気まずい沈黙が怖い
- 人と話した後は、どっと疲れてしまう
- 良かれと思ってアドバイスをしたら、なぜか微妙な空気になることがある
- 自分の話ばかりしてしまい、後から自己嫌悪に陥ることがある
3 もう少し詳しく解説
著者の説得力がすごい
著者の渡部建さんは、2020年からの芸能活動自粛期間中、コミュニケーションに関する本を100冊近く読破したそうです。そこで得た知識と、明石家さんまさんやタモリさんといった超一流芸能人から間近で学んだ自身の経験を融合させています。多くの本が「難しすぎる」と感じたからこそ、本書では**「誰でもできるシンプルなコツ」**だけが厳選されています。
「話さない」ための具体的なステップ
この本が面白いのは、「話すな」で終わらないところ。相手に気持ちよく話してもらうための具体的な方法が満載です。
- 心理的安全性を高める:「この人には何を言っても大丈夫」という安心感のこと。人気MCがみんな「ゲラ(よく笑う人)」なのは、笑うことでこの安全な雰囲気を作っているから。まずは笑顔で相手の話を聞くことから始めましょう。
- リアクションは大きく:プロレスラーが相手の技をしっかり受けるように、相手の話もしっかり受け止めるのがマナー。相づちやうなずきは「あなたの話を聞いていますよ」という最強のメッセージになります。
- アドバイスは求められるまでしない:人は悩みを解決してほしいのではなく、ただ話を聞いて共感してほしいだけのことが多いです。「大変でしたね」と受け止めるだけで十分。良かれと思ってのアドバイスは、実は「余計なお世話」になりがちです。
- 知らない話題はビッグチャンス!:知らない話題は「教えてください!」と質問できる絶好の機会。「自分は知らない」と正直に伝え、教えを乞う**「アドバイス・シーキング」**は、相手に優越感と快感を与え、自然と好意を持たれる強力なテクニックです。
この本は、会話の主役の座を相手に譲ることで、結果的に自分が楽になり、人間関係も円滑になるという、まさに目からウロコの逆転の発想を教えてくれます。明日からの会話が、きっと少し楽しみになるはずです。