【3分で要約】『「学力」の経済学』は子育ての攻略本!データが解き明かす本当に効果のある教育法

「学力」の経済学

「学力」の経済学

ISBN: 9784799316856
4分で読める

結論から言うと

教育や子育ての「常識」は、科学的な根拠(エビデンス)のない思い込みかもしれません。本書は、データに基づいて「本当に効果のある方法」と「実は意味のない方法」をズバリ教えてくれる、最強の子育て攻略本です。 これを読めば、情報に振り回されることなく、自信を持ってわが子に最適な教育を選択できるようになります。

1 この本を読むと得られること

  1. 科学的に正しい「ご褒美」のあげ方がわかる 「テストで良い点を取ったら」ご褒美をあげるのは、実はあまり効果がありません。子どもの学力を本当に伸ばすのは、「本を1冊読んだら」のように、具体的な行動(インプット)に対してご褒美をあげること。効果的なタイミングや中身まで、科学的に解説されています。
  2. 子どものやる気を引き出す「ほめ方」が身につく 「頭がいいね!」と才能をほめるのは逆効果になることも。「よく頑張ったね!」と努力の過程をほめることで、子どもは難しいことにも挑戦する「やり抜く力」を身につけます。明日から使える具体的な声かけのヒントが得られます。
  3. ゲームやテレビとの上手な付き合い方がわかる 「ゲームをやめさせても、子どもの勉強時間はほとんど増えない」という衝撃の事実。1日1時間程度なら悪影響はほぼなく、むやみに禁止するのはエネルギーの無駄かもしれません。データに基づいた、現実的なルール作りの参考になります。
  4. 将来の成功に本当に必要な「非認知能力」がわかる 学力やIQといった「認知能力」以上に、子どもの将来を豊かにするのは「自制心」や「やり抜く力」などの「非認知能力」です。本書では、この目に見えない大切な力をどうやって育てるかについても、具体的な方法が示されています。

2 こんな人におすすめ

  • たくさんの子育て情報に振り回され、何が正しいのか分からなくなっている
  • 「ご褒美で釣る」「ゲームをさせる」ことに罪悪感を感じている
  • つい「勉強しなさい!」と感情的に叱ってしまうが、効果がないと感じている
  • 子どもの教育に時間やお金をかけたいが、何から始めるべきか迷っている
  • 教育に関する個人の体験談や精神論ではなく、客観的な事実を知りたい

3 もう少し詳しく解説

著者はどんな人?

著者は教育経済学者の中室牧子さん。彼女のスタンスは一貫していて、「個人的な経験や思い込みではなく、データ(エビデンス)で教育を語る」というものです。本書には「私はこう思う」という主観は一切なく、世界中の研究者が行った信頼性の高い実験や調査の結果だけが、分かりやすく紹介されています。

この本のすごいところは?

一番の特徴は、教育という主観的になりがちなテーマを「経済学」の視点で科学的に分析している点です。そのキーワードが「因果関係」。

例えば、「読書をする子は学力が高い」という話があります。しかし、これは本当に「読書が原因で、学力が高くなった」のでしょうか? もしかしたら、単に「もともと学力が高い子が、結果として読書も好き」なだけかもしれません。前者を「因果関係」、後者を「相関関係」と呼びます。

本書は、この違いを徹底的に区別します。「AをすればBという結果が出る」という因果関係が証明された、本当に価値のある情報だけを厳選しているからこそ、信頼できるのです。

学力だけじゃない、大切なこと

本書が教えてくれるのは、勉強法だけではありません。人生の成功に不可欠な「非認知能力」の重要性を強調しています。これは、目標に向かって努力し続ける「やり抜く力」や、目先の誘惑に負けない「自制心」といった、テストでは測れない人間的な力のことです。

ペリー幼稚園という有名な幼児教育プログラムの追跡調査では、IQへの効果は数年で消えたのに、プログラムを受けた子どもたちは40歳時点で高収入で持ち家率も高く、逮捕率が低いという結果が出ました。これは、幼児教育によって「非認知能力」が育まれたからだと分析されています。教育への投資は、早ければ早いほど「収益率」が高い、というのも驚きの結論です。

個人の体験談に頼るのではなく、データという客観的な羅針盤を手にすることで、子育ての不安は確信に変わります。本書は、愛情に科学的根拠という強力な武器を授けてくれる一冊です。

この本を読んでみたくなりましたか?

気になった方は、ぜひ実際に手に取って読んでみてください。

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