もうギスギスした職場は嫌だ!『だから僕たちは、組織を変えていける』に学ぶ、たった1人から始める組織改革
「チームを良くしたいのに、なぜか空回りしてしまう…」「メンバーのやる気を引き出したいのに、どうすればいいか分からない…」そんな風に、一人で悩みを抱えていませんか?そのもどかしさ、もしかしたら頑張る方向や「始める順番」が、少しだけ違っているだけかもしれません。
この記事で紹介する一冊は、数字や成果といった「結果」からではなく、まず「関係の質」を見直すことで、Googleも実践するような最高のチームを作る方法を教えてくれます。あなたの職場を変える、具体的な第一歩がきっと見つかるはずです。
結論から言うと
この本の核心は、「結果」からではなく「関係の質」から始めることこそが、チームを良くする唯一の道だということです。多くの組織は、数字や成果を追い求めるあまり、人間関係を悪化させ、メンバーのやる気を奪う「失敗のサイクル」に陥っています。
この本を読めば、その悪循環を断ち切り、「心理的安全性」という土台の上で、信頼と対話を通じてチームを再生させる「成功のサイクル」を回す具体的な方法がわかります。まずは、あなたの周りの人との「関係の質」を見直すことから始めてみましょう。
この本を読むと、なにが得られるか
この本は、単なる精神論ではなく、最新の経営学や心理学に基づいた具体的なテクニックが満載です。読み終える頃には、こんな武器が手に入っているはずです。
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ギスギスした職場の「本当の原因」がわかる なぜ会議はいつも重苦しく、メンバーは指示待ちばかりなのでしょうか? それは、多くの組織がいまだに「工業社会」の古いやり方(数字での管理、トップダウン)に縛られているからです。本書は、現代の「知識社会」ではそのやり方が逆効果になる理由を、歴史的な背景から解き明かしてくれます。問題の根っこがわかれば、対処法も見えてきます。
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Googleも実践する「心理的安全性」の高いチームの作り方がわかる 「こんなこと言ったら、無能だと思われるかも…」という不安なく、誰もが本音で話せるチームは、なぜ生産性が高いのでしょうか。本書はGoogleの研究「プロジェクト・アリストテレス」などを基に、心理的安全性がチーム成功の土台であることを解説。メンバーが「強がりの仮面」を外し、ありのままの自分でいられる場を作るための具体的なステップを学べます。
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メンバーの「やる気」を科学的に引き出す技術が身につく アメとムチ(外発的動機づけ)は、単純作業には有効でも、創造的な仕事ではむしろ逆効果。本書では、人が心から「やりたい!」と感じるための3つの心理的欲求(①自律性、②有能感、③関係性)を満たす方法を解説します。メンバー一人ひとりの内なる炎に火をつける、科学的なアプローチがわかります。
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「たった一人」からでも組織を変える具体的なアクションプランが手に入る 「組織を変えたいけど、自分一人の力じゃ無理…」と諦める必要はありません。本書は、まず自分の「影響の輪」に集中し、小さな成功を積み重ねて仲間を増やしていく、現実的な変革ステップを7つ提示しています。ガンジーのように、あなたの一歩が大きな変化の起点になるかもしれません。
さあ、今すぐあなたのチームで「ありがとう」という感謝の言葉を伝えることから始めてみましょう。
こんな人におすすめ
もしあなたが、日々の仕事でこんなモヤモヤを感じているなら、この本はきっとあなたの力になります。
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チームの雰囲気が悪く、会議がいつも重苦しいと感じているリーダー メンバーは下を向いてばかりで、活発な議論が生まれない。いつも自分だけが話している気がする…。
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「なんで誰も自主的に動いてくれないんだ…」と部下の指示待ち姿勢に悩んでいる管理職 「あれどうなった?」と聞くまで報告がなく、結局自分でやった方が早いと感じてしまう。
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会社の理念や目標に共感できず、仕事に「やらされ感」を感じている若手・中堅社員 朝礼で理念を唱和するけど、実際の業務は数字のプレッシャーばかり。仕事の意味が見出せない。
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職場の人間関係に疲れ、本音で話せる場がないと感じているすべての人 空気を読みすぎて言いたいことが言えない、もしくは、マウントの取り合いで疲弊している。
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組織を良くしたいという情熱はあるけれど、何から手をつけていいかわからない人 問題意識はあるのに、自分一人の力ではどうにもならないと無力感を感じている。
ひとつでも当てはまったら、まずは自分の『影響の輪』で何ができるか考えてみましょう。
もう少し詳しく解説
著者の斎藤徹氏は、起業家、経営者、そして大学教授という複数の顔を持つ人物です。自らの会社でリーマンショックによる経営危機を経験し、お金や数字だけを追う経営の限界を痛感。そこから、最新の経営学や心理学を学び直し、実体験と学術的知見を融合させて生まれたのが本書です。
この本の最大の魅力は、圧倒的な分かりやすさにあります。豊富な図解やイラストが、複雑な理論を直感的に理解する手助けをしてくれます。さらに、ザッポスやカスミといった国内外の具体的な企業事例が豊富に紹介されており、「自分の職場でも応用できそうだ」というイメージが湧きやすいのも特徴です。
本書の根幹をなすのが**「成功循環モデル」**という考え方です。これは、「組織の成果(結果の質)を上げたいなら、まずメンバー同士の『関係の質』を高めよう」という、一見遠回りに見えるアプローチです。関係の質が高まると、メンバーの「思考の質」が前向きになり、自発的な「行動の質」が生まれる。その結果として、最終的に「結果の質」が向上するというサイクルです。
本書はこの成功循環モデルに沿って、
- 関係の質を高める:「心理的安全性」の作り方(第3章)
- 思考の質を高める:「仕事の意味」の共有方法(第4章)
- 行動の質を高める:「内発的動機づけ」の引き出し方(第5章)
という3つのステップで、やる気に満ちた「やさしいチーム」を作るための具体的なメソッドを丁寧に解説しています。
組織の変革は、壮大で困難なプロジェクトに思えるかもしれません。しかし、この本は一貫して「だから“僕たちは”、組織を変えていける」と語りかけます。それは経営者や役員だけでなく、現場のリーダーや、たった一人のメンバーであっても、変化の起点になれるということです。
さあ、この本を羅針盤に、あなたの職場をより良くするための冒険へ、第一歩を踏み出してみませんか?
この要約が参考になりましたか?
完全版を読んで、さらに深い知識を手に入れましょう!
